最近、TikTokやSNSなどで
「シーラーは2回塗らないとダメ」
「2回塗らない業者は手抜き」
という発信をよく見かけます。
しかしこれは
“材料の性能による違い” を説明していない話です。
■ 安価なカチオンシーラー2回の実情(サイディング壁)
サイディング外壁は経年劣化すると
・チョーキング(白い粉)
・塗膜劣化
・吸い込みの増大
・微細クラック
が発生します。
ここで安価な**カチオン系シーラー(水性)**を塗布すると
・浸透力が弱い
・表面で止まりやすい
・吸い込みが止まりにくい
という特性があります。
そのため
1回目 → ほぼ吸い込まれる
艶が出ない
吸い込みが止まらない
という状態になり
「だから2回塗ります」と説明されるケースが多いのです。
しかし重要なのは
2回塗ったから強くなる訳ではない
という点です。
材料の密着力そのものは大きく変わりません。
回数で性能を補っている状態です。
■ エポキシ系(難密着対応)シーラーの場合
高浸透型エポキシシーラーは
・浸透力が非常に高い
・下地を内部から固める
・難密着面に強い
・無機・フッ素塗料との相性が良い
適切な下地状態であれば
1回塗布でしっかり艶が出ます。
■ 艶が出る=吸い込みが止まっている証拠
シーラー塗布後
・艶が消える → 下地が締まっていない
・艶が残る → 吸い込みが止まり下地が安定
エポキシ系は内部まで浸透し固めるため
1回で安定した艶が出ることがほとんどです。
(破損や素地劣化が激しい部分は補修が必要な場合があります)
■ 屋根カラーベストは例外
屋根は紫外線・雨風の影響が強く、
重度劣化部分では
1回目 → ほぼ吸い込む
艶が出ない
というケースがあります。
その場合は
艶が出るまで2回施工
これは正しい施工判断です。
■ 回数が重要なのではありません
大切なのは
✔ 何回塗ったか
ではなく
✔ どの材料を使い
✔ 下地が締まっているか
です。
■ まとめ
● サイディング外壁
→ 高浸透エポキシ系1回で十分艶が出るのが基本
● 安価カチオン系
→ 吸い込みが止まりにくく、回数で補うことが多い
● 屋根カラーベスト重度劣化
→ 必要に応じて2回施工
「2回塗るから良い」ではなく
「質の高い材料で適切に施工すること」が重要です。
塗装の寿命は、見えない下地で決まります。
これが現場を知る職人の判断です。